プロフィール
愛知 ソニア
愛知 ソニア
1970年よりイタリアとイギリスに留学して芸術を専攻。
エハンと結婚後、日本で十五年間、生活しながら子育て、座禅、ヨガ、正食に励む。

後十二年間はカナダに移住し、夫と共に日本向けの精神世界情報誌、「トランスダイメンション・ヴィスタ」を発行してきた。海外ワークショップの企画や翻訳も手がけている。

以前から主に西洋の女神史に関心があり、「女神シリーズ」をヴィスタに記載する。未来学者バーバラ・M・ハバード女史をはじめとして、意識の進化をアシストする様々な女性たちにインタヴューを行ったことがある。

「パワーかフォースか」(三五館)「インディゴ・チルドレン」(ナチュラル・スピリット)、「水からの伝言Ⅱ」、「光の家族」など、数々の本を夫、エハン・デラヴィと共に翻訳する傍ら、講演活動や海外ワークショップを1993年ごろから行ってきた。カナダBC州ネルソン在を経て、2013年1月から日本に在住。



2分でわかる愛知ソニアのMAO
「ミラクルアカシックオラクル」




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イナンナから人類へメッセージ

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2007年02月28日

デメテル&ペルセポネ神話を英語アニメで楽しんでください!



英語を楽しく聞きながら「デメテル&ペルセポネ神話」が分かる面白いサイトを見つけました。まずはこのサイトを開いて、鑑賞していただくと、ややこしいギリシャ神話がストンと入ってきますし、何回も聞くと右脳的に英語が学べるので、お子さまにもお勧めです。きっとマンガも気に入ってもらえると思います。

デメテル&ペルセポネ神話のなかには、人間関係をはじめとして、自然と自分との関係性も、より一層、深く分かってくるヒントがあるとように思います。

  


Posted by 愛知 ソニア at 11:53Comments(651)世界の女神

2007年02月26日

愛の学び




 きのうのブログで書いた後に、まだまだ自分へ気づきが続いています。「がけっぷちから落とされる息子」・・・このシンボルを私なりに解釈してみました。今年はイノシシ年です。実は私たちの次男のタオもイノシシ年で当年、24才になる若者です。そのまさにイノシシのタオくんががけっぷちから落ちそうになる・・・これは、昔から知られているとおり、母イノシシは鼻先でつついて、子供をがけから落とすということばと結びつきます。このことばは「勇気ある母」を象徴し、また、子供に強くなってもらいたい母の願望も表れています。今回の事件によって私が学ぶべきことは、ひとことでしっかり「子離れ」する必要があることを教えてくれています。私は遠くから見守る愛をこれからもっと成長させねばなりません。

そこで子を慕う母親の愛が現れているギリシャ神話として知られている「デメテルとペルセポネ」を次回から数回にわたってお伝えし、神話の中のさまざまなシンボルを紐解いていきたいと思っています。

  


Posted by 愛知 ソニア at 12:06Comments(76)パーソナル・メッセージ

2007年02月22日

ドリームキャッチャー

 このブログで私はずいぶん、助けられている。実をいうと、幼いころから私はウツ的な傾向に悩んできた人間なんです。
そもそもの原因はあまりよく分からないのですけれど、記憶を辿っていけば、まずは以前ブログでも書いたように、腸チフスの予防接種に幼児の頃に犯されてケミカル治療や、戦後生まれた子供によくあった結核菌のプラス反応を最初からもって生まれてきたため、病院で何回も注射をされ、あげくの果て小学校に入る頃には自律神経障害のための薬づけでした。ひょっとしたら、それこそインディゴの本で子供にとって害となるリタリンやサイラートが入っていたんじゃないかと思う。それを飲みだしたころから、カンシャクは起こさない子供に変わっていたと思います。

 どんなことがカンシャクとなって母親に小さい頃から当たっていたかといいますと、ようするに、『この世に自分がなぜ生まれてきたかわからない・・・説明しろよ』というような態度で母を困らしていたと思います。その影で決して父という人を許せない自分がいたのです。最初からそう設定されていたんです。それで、かなり感情的にぐちゃぐちゃだった私は、ケミカル世代に最初に送り込まれたインディゴ一号タイプの人間じゃないか、なんて思うのです。

 そういったケミカルの影響をあまり受けなくなった中学生ころから私は、健康には問題なく、よく太り、非常にムーディで、気まぐれで、不満が多くて、先生も歯が立たない理屈っぽいティーンエイジジャーを表面的に装っている人間と成長していきました。そのうちパターンとしてこころのダウン状態が繰り返すような状態に操られるようになりました。

 結婚して、子供を産むと、こういった基本的に自己中心的な傾向は減って、どうにか、ここまで生きながらえてきて、いまではそんな傾向とは無縁であると思っていましたが、でもこの冬のすべてが凍りつく寒さの中で、そうでもないよと試されるようなことがいっぱいおきました。腹が立ったり、「なんでなの?」と、問い質したくなるような自分との戦いでした。それらはすべて自分の夢と関係していることを通して起きたのです。

 ウツ的な、つまりネガティブ思考に操られていると、自分自身も感心するほど傲慢になっているのです。これこそ、ウツ的な傾向の始まりなんだと、つらいけど認識できると、またスムーズに現実は展開しだす。ネガティブとは無縁だと思っていて、お金もたくさん投資してここまで学んできたのに、なぜ振り出しにもどるような経験をするのだろう? 時間は加速しているので、自分が成長できないでいる部分に当てられるスポットライトの光は今、まばゆいほど強くなってきている。

 でも、季節も影響している。冬にはいままでよくこんな感じになる。病名すらあるみたいです。でもこうしてブログを書いて、自分自身を正直にお伝えすると、きっと「そうだ、あなたも同じなんですねえ」と応えてくれる人がいるのはとても助けとなります。一緒にお互いの肩をたたける仲間がたくさんいてくれることに今日はとても感謝しています。

そんな気持ちでいると、今朝、すごいメールが入りました。 バーバラ・マーシニアックからでした!
やっと彼女とつながった! うれしいです。

Hello Sonia and John,

Thank you so much for your very kind letter! I enjoyed hearing about what you've been up to.
And, thank you for re-translating Family of Light. I'm sure you had a deep and enlightening time doing it.
The P's words and ideas certainly have a way of changing over time regarding their meaning.

という内容で始まるメールをいただきました。

すべてがつじつまがあうようになる前に、
生きることのさまざまなレッスンがあり、
それぞれの学びの中に一つずつ扉は開いていく。
その鍵は各々の中にあり、ただそれをふさぎこんでいる、
ネガティブ思考を削除していけば、おのずと雲は消え、
晴天のへきれきのような空の向こうから黄金の玉をつかんだ龍が現れる。

プレアデスのエネルギーにやっとつながった!

この今朝のような喜びに出会うために、
人生は今、私にいろんなことを同時にたくさん見せてくれているんだなあ、と思いました。

ウツ的なくもの巣のような自分のパターンを完全に超え切るために、
なんと何気ない、自分の些細な気持ちの中にウツ的傾向にすでに向かおうとしている自分の態度がたくさんあることに、私は今、いままでになく気づいています。
そういった傾向を先に意識的にキャッチすれば、どうにかその傾向に引っ掛からないでスムーズにことが運ぶような気がします。
Stickyな巣に足を突っ込まずにやっていくためには認識しかない。
だけど、自分自身はまったくそんなネガティブな傾向はないと、ふだんはつい、否定してしまいやすいです。だからなかなか、蜘蛛の巣がはってあるとは気づかないんですよね。

そんなこんなで、自分の中で今やっと新春を迎えたという感じがいましています。
すると今年の目標がなんとなく定まってきているのではないかと、今感じています。

その目標は今のところナイショ!

窓際にカナダで買ってきたドリームキャッチャーをつるして、
自分の夢を鮮明に大きく広げさせるために、
思い込みや余計なStickyなものをひっかけて通さないようにしてくれるように、
ドリームキャッチャーにお願いしました。
私って、みんなとっくにやっていることがやっていなかったりするんですよね。

さて、このドリームキャッチャーに効果はあるでしょうか?
これにしても、タロットやクリスタルなどほかのスピリチュアルツールと同じで、
オーナー次第で、強力にも、無意味にもなるでしょう。


  


Posted by 愛知 ソニア at 11:54Comments(19)ソニア物語

2007年02月21日

環境意識をみんなでリコール



このおぞましい題名の本が今、ちょうど書店のならんだ頃かと思います。そこできのうアマゾンのランキングにかつてない反応が起こったことに気づきました。なんと「29位」という喜ばしいランキングに突入したことを喜んでいます。

この本のタイトルがつけられることに対して、
もし私自身が訳していなければ、
決して買わないだろうタイトルの諸々の本の部類に正直言って入る題名に驚いた。
でもそんなことはどうでもよい。
中身が大切な本だからです。

今、環境問題を私たち誰もが今までになく深刻に考えねばならない時期がやってきていることは確かです。
なにをさておいても、まずは大災害から身を守らねばならない時期がやってきています。
それは地球上のどこに住んでいても関係ありません。
いままで安全だと思われてきたまったく予想外の場所で危機は私たちの住むドアのまん前まで押し寄せ、ノックをすることさえあるのです。
なぜ、そんなことに環境はなったのか?
その原因はゴアさんがすごい勢いで世界中に警告する二酸化炭素廃止キャンペーンであろうと、太陽そのものの変化が理由であろうと、この危機を意識し、戦争なんかに力を入れている場合ではないということを互いに認識しあうことが大切だと思います。

ここで陰謀論にはまったりして横道にそれずにそれぞれが自分にできることをしたらよいと思う。
それには、地球をいたわる気持ちを地球に伝えることもできるし、エハンさんのようにすごい科学データを提供することもできる。みんなが情報を共有しあい、私たちがほんとうに今、置かれている立場をしっかりと認識することで、2012年の扉が全開するときに自分たちの意図する世界がリアルに開けてくると、私は信じています。それには確かにこの本の題名のようにおぞましい風景が目の前にあるのを無視してはならない。

そこでこのかなり科学的な内容のこの本を翻訳する自信はまったくなかったのですが、夫の頼みとあって、ここでもう一度、マリアのレッスンと自分に言聞かせ、しぶしぶこの本の翻訳作業に取り掛かった次第です。しかし、翻訳し始めて数ページもすると完全にエハンさんの世界に入っている自分に気づきました。エハンさんがまるで自分を媒体にチャネリングしているような自分にも翻訳していて気づきました。でもほかにも男性的なエネルギーのサポートがありました。感覚として感じられた目に見えない何らかの、男性的なエネルギーに援助されて、あの中身の濃い本が誕生したと思います。

そこでアマゾンのランキングはあまり意味がないように聞かされていますが、今までの私たちの本では絶対にありえなかったトップ29位というティッピング・ポイントを超えたことを、読者のみなさま方に感謝いたします。おかげさまです、ありがとうございます。

何をさておき、一番大切な環境をしっかりみつめよう!  


Posted by 愛知 ソニア at 09:38Comments(17)書籍紹介(和本)

2007年02月19日

偶然のシナリオに注意を払え!

最近になって私の現実には、シンクロニシティーがたくさん見えてきたように思う。それは最初からたくさんあり、ただ自分が今まで見えていなかったことが見えてきただけなのかなあ? とにかくその計らいが、あるものは皮肉っぽくもあり、あるものは滑稽であり、あるものは何度も現れるパターンを認識できるシンクロだったりする。何かに注意すべきというサインもシンクロで現れることがあるには間違いなく、でもまったく意味が見い出せないものもある。

実はこの現実はすべて100パーセントシンクロしているのはあたりまえで、私たちはそれが見えていないから、意味を見い出せないままこの三次元で喘いでいる。現実の意味は、まるでマトリョーシカ人形のように何層にも分かれた異なる構造になっているとしたら、自分の今の気持ちはどこにつながっているのか? 癒される必要があるのか?

それは何を通して?

シンクロの運びが意味しているのは何か? それははっきりと目の前でパイ皿をビシャリと投げつけられたように明白に理解できるメッセージなのか? プライドが傷つくようなシンクロ? ・・・「癒される必要アリ」 出会いに感謝するシンクロ? ・・・「愛が芽生える」

うーん、どちらともいえるシンクロといえるときもある。

今、私たちは小さな殻を脱ぎ捨てて、一層大きな器に自分を広げるワークを誰もが一生懸命やっていると思う・・・とはいっても、なかなか広がらないことが多々ある。

例えば何か新しいことをやってみようと決心をしたのに、止めどもなく、「やめろう」、「やめろう」というサインがシンクロとして現れる。それはただ、自分の前に立ちはばかる外されることを恐れる抵抗する古いエネルギーの仕業なのか? それとも今回の新しい夢が今までどおりの自分の器に収まるものではないないほど大きいからか? 挑戦的なエネルギーをたくさん乗り越えなければならない感じがする。

今自分がやろうとしていることが、今までの自分のキャパを乗り越えなければ、何も始まらないことは確かなようだ。だから今までの自分の限界を進んで外そうとしている自分がいる。

今回こそ、成し遂げねばならない何かがある。それはシンクロが運んできてくれる過去を思い出すような諸々の出来事を通して、自分のこれからの道をしっかりと見つめさせてくれている。それは今回こそ、一度違うやり方をトライしてみようという気にさせてくれる。シンクロは、そのチャンスを惜しみなく提供し続けてくれる宇宙からの贈り物なのかもしれない。

あせらずに一歩ずつ、それに向かって歩んでいけば必ず達成できるということを信じること・・・これが大切。無理をしないでもそれは達成できるということを、シンクロは教えてくれている。そういう風に考えると、あらゆるシンクロがバラバラではなく、一連の意味を成し、自分の次のステップに赤いカーペットをひいて迎え入れてくれるように感じる。

その微妙なシンクロの計らいに気づくためには、カタブツで硬直した今までどおりの見方では見えない。ちょうど3Dピクチャー(ステレオグラム)を見るときのように見方を変えなくては見えないようなシンクロもあるし、明確なアンサーを返してくれるシンクロもある。

  


Posted by 愛知 ソニア at 12:24Comments(321)ダイアリー

2007年02月16日

雪の中のゴンパ

カナダ、B.C.州ネルソンの町外れを車で十分ほどの山の中に走っていくと、黄色い旗が道の脇に立っているのが目に付いた。その旗には”Gompa”と書いてあった。ゴンパとはチベットの僧院を意味するようだ。

「チベット」は私にとって最近、よく遭遇するキーワードなので、早速、Gompaという旗のたっている私有地に入っていった。何回かベルを鳴らしたのに、誰も出てきてくれない。そっと中に入っていくと、60才ぐらいの白人女性が出てきてくれた。その女性に案内されて中に入ると、瞑想するスペースがあった。中央には祭壇、周囲の壁にはタンカがたくさんかかっていた。



毎週日曜日にそこで瞑想会があり、誰でも参加できるというので、三日後の日曜日の朝、私とエハン、息子たちと四人で参加してみることにした。これで当分、タオには会えない。最後を瞑想でお別れするということに一同が同意して、その朝、ゴンパに向かった。

シーンと静まった雪の中のゴンパで、指示されたように自分の呼吸に意識を向けていると、私の思考はやっとストップした。何ヶ月ぶりだろう・・・ここまでの静けさを味わったのは。いつこの静けさを私は忘れたのだろうか? このように思考はまたスタートする。

ただこれを再認識するために、私はるばるこんな遠くまでやって来たのか? それでもいい、大切なことだから。

息子といっしょにこうして瞑想できるとは、まったく想像外の経験だった。何はさておき、これはすばらしい。

瞑想会は、まずチベットのお祈りとスートラを唱えた後、瞑想に入った。それからしばらくして、チーンという鐘の合図で私たちは立つと、ゆっくりとサークルを歩き、その後また瞑想に入った。それが終わるとスートラを参加者全員で一緒に唱え、瞑想会は終わった。たった十人足らずの集まりだったので、だから余計に静かだったのかもしれない。平和で静かな気持を感じさせてくれたゴンパに感謝して、その後ネルソンを去った。





  


Posted by 愛知 ソニア at 11:57Comments(321)ダイアリー

2007年02月02日

リサイクルの女神「ヘカテ」

 古典に残るギリシャ神話の背景となっている当時の古代ギリシャの社会では、女性は完全に男性の所有物であるという概念が急激に広がっていました。そうなると老いた女神であるクローンは、ますます嫌がられるようになりました。年をとって子供を産む能力もなくなり、肉体的にも魅力なく老いた女神などは必要ない。人々はどんどんクローンの存在を忘れていきました。彼女が黙って静かにしているのならなおさらです。確かにクローンの女神は黙っていることが多いのです。クローンの役目は男の神さまを産んだことですでに果たされています。ギリシャの偉大な女神がクローンとなる前に産んだ男の神さまはたくさんいますが、その中には「時間と測量」の神さまクロノスや、時間など関係なく、老いもしなく、衰退することのない永遠のパワーを発揮するいつまでも若き太陽神、アポロンがいます。

 そのあたりから女性や女神というと、月がシンボルとされてきましたが、はじめは、女神は皆、太陽を象徴していました。太陽の神が女神である文化をみてみると、たいてい男の神さまは月を象徴していることが多いのですが、ケルトの文化ではそうではありませんでした。ケルトでは太陽の神も、月の神も両方とも女神です。ほとんどの世界の神話に語られるように太陽と月の神さまたちを男と女に分けてしまい、異性同士にしてしまったのは単なる調和的な計らいに過ぎないのかもしれません。

 ギリシャ神話の中のクローンの女神として代表的なのは、かまどの女神、へステアがいます。へステアは「聖なる炎」の守り手とされていて、神々が祭られているギリシャの多くの神殿ではもっともよく崇拝されていた女神でした。神々に捧げれるいけにえや供え物の最高の部分はまず彼女に提供されました。ヘスティアは地球中心部にあるマグマそのものの炎であると考えられていました。

 前回、お伝えした女神、ヘカテの起源はギリシャ時代をさらに古代エジプトまで溯るといわれています。全知全能の神、ゼウスが登場する以前から女神へカテについては語られていたので、彼女の偉大さはゼウスにも劣らなかったのです。ですから、女神の中でもいちばん認識されていた女神として、ヘカテ以外には誰もいないかもしれません。

 ヘカテは、「男性からの独立」を象徴する女神です。ですから家長制度が盛んとなってくるギリシャ社会では恐れられる女神となってしまったのです。もし女性たちがヘカテを崇め、男性達から独立しようなどとなれば家長社会は成り立ちません。そういうことで最初は天界と地上、冥界といった三つの次元すべてを司る偉大な女神、ヘカテは次第に冥界だけの女神となってしまいました。つまり黄泉の国を支配する下弦の月の女神となってしまいました。そして最初は天と地、冥界をつなぐ路の守護神で、魔法や呪術、占いの神さまとして崇められていました。夜の女王とも呼ばれていたヘカテは手には松明を持ち、吠える犬を連れて、夜の世界を駆け巡る恐ろしい姿としてやがて描かれるようになります。しかし本来、ヘカテは、豊かな富と祝福をもたらす女神であったことを忘れてはなりません。

 ヘカテのトーテムアニマルは、犬やヘビ、馬などですが、彼女は時として三つの頭で描かれることもあり、それぞれは人間ではなくトーテムアニマルで表されていることもあります。ヘカテの起源である古代エジプトでは、彼女は産婆さんたちの守り神で、「ヘクト」、あるいは「ヘキット」と呼ばれていました。古代エジプトのヘカテのトーテムはカエルであり、カエルは魔女とも深い関係があります。カエルはまた、約束された未来や再生を意味し、オタマジャクシは、胎児のシンボルでもあります。

 ヘカテを東洋の女神に置き換えると、「カリ神」だと私は思います。インドの破壊と再生の女神です。カリも元々、家長制度のヒンズー社会が生まれるまでは、三大神の一人とされていました。さて、ヘカテは生の最後と結び付けて考えられていました。そして魂が再び生まれ変わるまでの冥界の旅の道案内をしてくれる女神だと言い伝えられています。

 ヘカテは冥界から蘇る再生の力を与えてくれる女神で、また私たちが経験するすべてを肥料のようにリサイクルしてくれる女神でもあるのです。年をとり、老化し、死んでいく命のプロセスの中で、また新たな生命の種を拾い上げる女神・・・それがヘカテです。女性はみんな月経のサイクルを通して、このような自然のプロセスを身を通じて感じることができます。閉経すると女性はクローンとなり、血液は叡智と変容し、内なる自己に留まります。

←「ヘカテ」ウイリアム・ブレーク 1795年

 中世ヨーロッパのキリスト社会では、残念にもヘカテはすっかり魔女とされてしまい、魔法を学ぶ女性の体にヘカテは乗り移るとまでいわれるようになりました。女性が弾圧される社会ではヘカテは嫌われ、恐れられ、悪者にされてしまいました。これはまさに人類の意識の冥界である無意識そのものだといえます。ヘカテは松明を手にし、きっと私たち、人類が無意識という冥界から抜け出るのを待ってくれているのかもしれません。そして、老いることの恐怖から解放されると、賢いクローン、ヘカテに導かれながら叡智をもって私たち本来のパワーを一層、発揮することができるでしょう。松明を灯してくれているヘカテのように、すべての人々のために光を灯してあげるような人生がまたそこからスタートするのではないでしょうか。

  


Posted by 愛知 ソニア at 22:16Comments(6054)世界の女神