プロフィール
愛知 ソニア
愛知 ソニア
1970年よりイタリアとイギリスに留学して芸術を専攻。
エハンと結婚後、日本で十五年間、生活しながら子育て、座禅、ヨガ、正食に励む。

後十二年間はカナダに移住し、夫と共に日本向けの精神世界情報誌、「トランスダイメンション・ヴィスタ」を発行してきた。海外ワークショップの企画や翻訳も手がけている。

以前から主に西洋の女神史に関心があり、「女神シリーズ」をヴィスタに記載する。未来学者バーバラ・M・ハバード女史をはじめとして、意識の進化をアシストする様々な女性たちにインタヴューを行ったことがある。

「パワーかフォースか」(三五館)「インディゴ・チルドレン」(ナチュラル・スピリット)、「水からの伝言Ⅱ」、「光の家族」など、数々の本を夫、エハン・デラヴィと共に翻訳する傍ら、講演活動や海外ワークショップを1993年ごろから行ってきた。カナダBC州ネルソン在を経て、2013年1月から日本に在住。



2分でわかる愛知ソニアのMAO
「ミラクルアカシックオラクル」




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イナンナから人類へメッセージ

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2014年05月22日

多次元神話Vision Vine (幻覚のツル)

多次元神話Vision Vine [幻覚のツル](蔓)
Earl Vickerという人が、南米のジャングルに住む原住民のことを書いた「幻覚のツル」と題した、シャーマン的な世界を表現した作品です。
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多次元神話Vision Vine (幻覚のツル)


「おまえが他の世界で見てきたことを我々に分かち合ってくれ」

と、酋長が尋ねると、そのウォリアーは答えた。

「その世界っていうのは、俺が今までに行ったことのない世界だったのさ・・・光眩しくて、目が痛くなるくらいで、雑音はひどくておまけに混乱しているんだ。そして緑がまったくないんだ」

「どこにその世界はあるんだ?」

と、再び酋長が尋ねると、

「わけがわからないんだが、ここのどこかに存在しているってことは確かみたいなんだ。俺たちがここに座っているのと同時にどこかでね。そして時代は、人々がすごく強い魔法の力に目覚めて、俺たちの世界なんか一発で吹き飛んでしまうほど恐ろしい武器もあるんだ」

この種族の集会には知られずして、こっそり話を聞いていた者がいた。

アカールという名の少年が、壁の穴から中の様子を盗み見していた。
その時の酋長の顔が今まで見たこともないほど寂しげな表情にアカールの目には映った。

アカールは混乱した頭を抱えてジャングルを歩いて行った。

たしかに酋長が集会で言っていた。

『俺たちの文化も失われるし、俺たちの世界が消えていく・・・といっていたけれど、どういう意味なのだろうか?』

アカールが森の中を歩きながらそんなことを考えていると、
足元にジャガーの足跡を発見した。

アカールはその足跡を追っていった。するとすぐにジャガーが目に止まった。

ジャガーとは、「ひとっ跳びで殺す」という意味をもつ。
ジャガーという崇高な動物が、アカールの視野に入った。
しかも、その恐ろしい動物は森のツルを食っているではないか。

やがてジャガーはツルを吐き出した。
身震いしながらものすごい音と共に吐き出している。
アカールはそれをじっと見ていた。

すると突然、そのジャガーはアカールの真正面までジャンプして近づいた。
そしてアカールの目をじっと見つめた。

あまりにもの恐ろしさにアカールは一瞬ジャガーから目をそらした。
するともうジャガーはいなくなっていた。

アカールは、いつか部族の長老たちが、ヴィジョン・ヴァイン(ヴィジョンを見るツル)とよばれるものについて語っているのを耳にしたことがある。しかもそれは、監督者なくして絶対にひとりでは飲むものではないと言っていたのも覚えている。

しかし、その村もとうとう崩壊しようとする最悪な事態を迎えたのだから、村で皆がやっていた儀式を思い出して一人でも飲んでみてもいいだろうと彼は考えた。

またそれによって自分たちの世界を守ることができたならば、長老たちからも喜ばれるだろうし、晴れてはあの美しい酋長の娘、イシャとも結ばれるかもしれないとアカールは考えた。

それで彼は近くの廃虚跡から壊れた器をひとつひらってきた。そして、切り落としてきたツルを細かく刻んでからやわらかくなるまで叩きつぶし、それをその器に入れてぐつぐつと煮た。

夜暗い森の中で一人になったアカールは、勇気をもって煮上がったものを飲むことにした。ひどい味がして吐いてしまいそうにもなったが、一気に飲み干した。そのとたんにアカールはぶるぶると震えだし、冷や汗をかき始めた。

「おお・・・大変な事になっちまった!
俺はここで死んでしまうのか! 」

アカールは恐怖心にすっぽり包まれた。

しばらく震えていると、急に自分が誰かに見られているような気がした。

さっき森で出くわしたあのジャガーが戻ってきたではないか。

「おまえはひと爪立てたオレに殺してもらいたい為に、あの死のツルを食ったんだな。」

と、その獣はアカールにいった。

怒りの目で自分を見つめている目の前の大猫にアカールは震え声でいった。

「おっ俺は、おまえなんか、怖くはないんだぞ!」

するとそのジャガーは、

「おまえなんか怖くない~、おまえなんか怖くない~」

と、その場で笑いころげながらアカールを真似て歌いはじめた。

あまりにもの恐ろしさに、アカールはその場に吐いたり、便まで垂らす始末だった。

それを見たジャガーは、森の中で寝転がってますます笑いが止まらない様子だった。

ジャガーは笑いながらこういった。

「オレがおまえを食っていたのなら、こんな面白い会話はなかったぞ」

アカールは心の中でこういった。

『俺はたしかにジャガーと会話したのだ。これはとても名誉あることなのだ。ジャガーが今、俺のアライとなってくれたんだ・・・』



さてここで、シーンはある都会に変わった。

リードという男がいて、デレックというボスからプロジェクトをやめてしまえと忠告されている。

間違えば裁判だたになりかねない、とてもリスクの大きいプロジェクトをリードは抱えて行き詰っていた。

その上、ボスのデレックは、リードが自分で創りあげたバーチャルキャラクターのアカールにあまりにものめり込んでいくことを心配していた。

ボスがオフィスから出ていくや否や、リードは再びヴァーチャル世界に戻っていった。

リードはバーチャル世界の中の小道を歩きながら、ジャングルのムーッとする豊かな匂を楽み味わった。

「上空から見てみることにしよう! 」

と、彼はコンピュータに命じた。

すると、システムはリードに地図を提供したので、彼はそれに応じた。

「小道のこの辺でジャングルをぬけて、湖を作ることにして・・・」

と、設定すると、なぜか地図は消えてしまった。

気がつくとリードは、そのジャングルにいた。

ブッシュマスターと呼ばれる二メートルもありそうな猛毒をもつヘビに噛まれそうになった。
それでもリードは 、自分がコンピュータの画面上に創ろうとしていた新しい小路を、自ら歩いているのに気づいた。

そのジャングルの小道をリードは進んでいった。

「キャラクターを登場させよう!」

と、リードが心の中でそう思った瞬間に、妙なチクチクするような感覚を覚えた。目の前には、自分がクリエートしたキャラクターであるアカールがなぜか目の前に座っていた。

「なんて変なヴィジョンをこのツルはくれるんだ!? もう一つの世界ってひどいところじゃないか」

と、アカールは目をこすりながらそういった。

そのあとアカールは、村に帰っていった。そして、チーフに自分が見たヴィジョンについて明かすことを決心した。

「おまえは長老の会合を盗み聞きしたのか! その上、監督なしに一人であのツルを飲んだのか。罰として、おまえをこの村から永久に追放する。」

と、酋長はアカールにかんかんに怒った。

アカールは、目を真っ赤にして泣きながら村を去っていった。そして、あの小屋跡まで再び戻ってきた。

『ここで一人で死ぬことになるのかもしれない。そして、もう一つの世界の悪霊と戦かわねばならないのか・・・』

アカールは心の中でそういいながら、さっきのツルからできた液体のあまりを一息に飲んでしまった。

アカールは新しい小路を発見した。

『こんなところに道があるとは。今までに見たこともない道だ。歩いていってみよう』

と、彼はつぶやいた。

しばらくすると彼は湖に出てきた。そして、水面に映る自分の姿を見ると、なんと裸だった。

「もうひとつの世界の霊が、きっと笑うんじゃないだろうか・・・」

突然、彼は悲鳴をあげた。

その声にリードは、はっとして後ろを向いた。

しかし、ちょうどその時ボスのデレックがまたオフィスに戻ってきた。リードが会社の規則を破って、また例のバーチャル世界にのめり込んでいないか、チェックしに戻って来たのである。その通りだった。その場で、リードは首になった。

しかたなく家に帰ったリードは、ある事を決心した。

『あの世界が恋しい。俺は戻るぞ! 』

彼がヘッドホーンをつけると、すぐにあの湖に戻っていた。

すぐさまあの自分が創造したキャラクターのアカールが水面に寄り添っているのが見えた。

アカールは瞬きをした。すると目の前には、大蛇のアナコンダが自分の足に巻ついていた。そして湖の下へひきずりこもうとしていた。

彼は悲鳴をあげて必死ではいずり上がろうとした。

「キャラクター、早く消えろ!」

とリードは叫んだ。

『アナコンダにかかれば、少年はこれまでだ。しかし、待てよ・・・』

とリードは考えた。

『たしかに原住民たちは、自らの死と再生を体験するためにあのツルの液体を飲むのではないか。それに彼らは、動物に変身するためにもそれを飲むと、たしか聞いたことがある。ならばあのジャガーもそうなのかな?』

と、考えたリードは、コンピュータに向かって、

「キャラクターよ、戻ってこい!」

と命じた。するとあのジャガーが飛び出てきた。ジャガーは、湖の畔であの大蛇アナコンダの頭を爪で裂いた。強く締めつけられていたので、毛を逆立ててガォーと吠えた。アナコンダの息は絶えた。

アカールがそのジャガーの前足を見つめていると、たちまち前足が人間の手に戻っていた。彼は水面に自分の顔を映すと、見たこともない顔が映っていた。

「もう一つの世界の男にちがいないな。なんてすごいシャーマンなんだろう。オレもいつかあんなになってみたいなあ 」

と、アカールがそういってから指で水面に触れると水輪が広がった。するとたちまち二つの世界は一つに統合した。

いいアイデアをリードはひらめいた。

「そうだ。スタートからもう一度始めよう! 
もっと素晴らしくて、もっとリアルな世界をコンピュータで創ってみよう!
ネットでタダでみんなとシェアーしたい世界なんだ! 
誰もがその世界にコンピュータでつながることができれば、
人間は再び自然とのコネクションに目覚めるだろう!
そうなると自然を保護するための寄付が自然と集まるようになるだろう。
コード保管所からDNAを集めて何千もの種を増やすこともできるだろう」

と、名案が浮かんだリードは興奮した。

アカールは、リードの頭にあふれ出てくるアイデア全部を理解できなかったが、どちらの世界にも希望が生まれたことはなんとなく理解できた。

アカールは急いで村に駆け戻っていった。

ジャガーに教えられたイカロを歌うと勇気が出てきた。

村に着くと、アカールはたちまち囚われた。そして、酋長の前に突き出された。

「オレはもう一度、あの世界へ行ってきたんです。そしてその世界の者に俺たちの世界を見せてやると、二つの世界は一つになったんです。俺たちの魂はこのようにして生き残る希望が生まれるのです」

アカールは酋長にそういった。しかし酋長は、以前よりももっと腹を立てた。アカールがジャガーから教わったイカロを歌っても酋長は変わらなかった。

「自分が価値ある者であることを証明しろ。ジャガーの歌なぞ、この世界でも何回も聞いたことがある。それよりも、もう一つの世界のものを何か見せてみろ。」

と、酋長はアカールにいった。

アカールは少しためらっていたが、変な言葉で語りはじめた。

”「SHOP FOR THE LATEST REALITIES AT THE REALITIES FACTORY! ”(リアリティーのお買い物は、リアリティーズ工場で! )

とアカールは酋長にそういった。

すると酋長は、

「一体、どういう意味なんだ、それは」

と尋ねた。

「もう一つの世界の人々はパワフルなシャーマンたちなんです。偉大な魂の道具をもっています。しかし、彼らのヴィジョンは空っぽなんです。彼らには、オレたちからヴィジョンについて教わる必要があります。だからそのお礼として、彼らからこれから変化の訪れる中を生き残こる方法を教えてもらうのです」

酋長はうなずいて、アカールの勇気を賛えた。

「だが、おまえは以前の名前で、再び村に戻ることは出来んぞ! 何ていう名に変える?」

と酋長に聞かれた。するとアカールは、

「リードって呼ばれてみたい」

とにっこり笑ってそう答えた。

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Posted by 愛知 ソニア at 11:37 │シャーマニズム