プロフィール
愛知 ソニア
愛知 ソニア
1970年よりイタリアとイギリスに留学して芸術を専攻。
エハンと結婚後、日本で十五年間、生活しながら子育て、座禅、ヨガ、正食に励む。

後十二年間はカナダに移住し、夫と共に日本向けの精神世界情報誌、「トランスダイメンション・ヴィスタ」を発行してきた。海外ワークショップの企画や翻訳も手がけている。

以前から主に西洋の女神史に関心があり、「女神シリーズ」をヴィスタに記載する。未来学者バーバラ・M・ハバード女史をはじめとして、意識の進化をアシストする様々な女性たちにインタヴューを行ったことがある。

「パワーかフォースか」(三五館)「インディゴ・チルドレン」(ナチュラル・スピリット)、「水からの伝言Ⅱ」、「光の家族」など、数々の本を夫、エハン・デラヴィと共に翻訳する傍ら、講演活動や海外ワークショップを1993年ごろから行ってきた。カナダBC州ネルソン在を経て、2013年1月から日本に在住。



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2007年01月13日

勝利と名誉を導く女神 「ヘカテ」



ヘカテについてお話する前に、まず「トリプル・ゴデス」と言うことばを知っていただきたいと思います。

トリプル・ゴデスとは、いうまでもなく3人の女神という意味です。「3」という数字は地球における早くから始まった多くの文明にとって聖なる数字として扱われてきました。特にケルト文明においては著しくそれが表れています。ケルトの女神について以前お伝えしたときに、ケルトのシンボルのトリプル・スパイラルを見ていただいたと思います。


このシンボルと同じように女神もまた、“Maiden”(乙女)、“Mother”(母)、“Crone”(老婆)といった三つの側面をポートレートとして観ることができ、これは自然のサイクルを映し出しています。面白いことにこのトリプル・ゴデスのコンセプトは日本文明でも「宗像三女神」というコンセプトは古くからあったようです。





さて、西洋女神研究において分類される「トリプル・ゴデス」は、自然のサイクルに従っていて、特に月の満ち欠けとして表現されることが多いです。つまり上弦の月、満月、下弦の月といったように女神を三タイプに分類してみるのが西洋女神研究では一般的です。それからすると「ヘカテ」は下弦の月の女神「クローン」(老婆)です。あくまでもこれはヘカテを代表する一つの側面であって、月の女神としてのヘカテは、しばしばアルテミスやセレネと同一視されることもあります。ヘカテ自身もまた、3つの顔を持つ姿で描かれることもあります。夜の三叉路に居座り、それぞれの顔がそれぞれの道を見つめているのです。天にあってはセレネ、地にあってはアルテミス、冥界にあってはヘカテと言い伝えられてきました。ティタン神族の血族で、レトの妹である星の女神アステリアの娘とされています。



女神アステリア: 清らかな女神の姿です。月の女神アルテミスの娘(コイオスとホイベの娘)で正義の女神アステリア(星空)と言われます。アステリアは人間に正義を教えるため地上に残ります。しかし”銅の時代”になり人間のあいだに争いが増し、アステリアの言うことを聞こうとする者がいなくなり、ついには妹のアイドス(慈悲の女神)とともに、地上を去り天に上り星座(乙女座)になったと言われています。

女神アステリアから生まれたヘカテは元々、古い大地神でしたが、次第に冥界と縁故の深い女神となりました。ハデス、ペルセフォネに次ぐ、冥界のナンバー・スリーたる権威を持ち、猛犬ケルベロスを従えて冥界の門を預かる強くもまた、魔女のように恐れられる女神となりました。

ヘカテは黄泉の国の恐ろしい女神として描かれるのが一般的ですが、元々は勝利と名誉を導く名誉ある女神として描かれていたようです。「三岐路のヘカテ」とは、女神アルテミスの称号でもあります。このように彼女は潔癖な処女神でありながら、多数の性格をも所有しているパワフルな女神なのです。ヘカテは闇の女神で、魔力が集まるという三叉路や十字路を支配し、呪術や幻術を司る女神として古くはエジプト時代からその信仰派スタートし、ギリシャ時代にはアルテミス信仰、そしてローマ時代にはビーナス信仰と化していきました。トリプル・ゴデスのコンセプトも、キリスト教社会が発展していくにつれて、「処女マリア」、「聖母マリアと取って代わりましたが、なぜか老婆であるクローンは魔女やマグダラのマリアのような存在にすりかえられてしまったような気がします。ですからヘカテは神話にもあまり登場しないのですが、実は不思議なほどゼウスから尊敬を受けた女神達のなかでは無視できない重要な存在なのです。  


Posted by 愛知 ソニア at 14:26Comments(2208)世界の女神